Tao Log

研究/勉強/読書/映画/旅行

「つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。」

つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。

以前にTwitterで、うつ病で苦しんでいた方がブログで紹介していた上記の本を先日読みました。 認知行動療法の名前だけは聞いたことがありました。ですが、関連する書籍や認知行動療法の概念自体について読むのはこの本は初めてでした。

標準的な認知行動療法を超えたマインドフルネスとスキーマ療法が一般の人に対してもストレスケアとして有効であることについて、2人の患者さんの例を中心に話が進む本です。 途中に入る緑のページは、マインドフルネスの解説とマインドフルネスのためのワークの例であったり、スキーマ療法についての解説がのっているので、マインドフルネスとスキーマ療法とは何かについて振り返る際には緑の部分を読めば簡単に振り返れると思います。

理解した内容

  • 認知行動療法とは、自分の反応・行動について、描写してセルフモニタリングすることでストレスについて対処していく方法。
  • マインドフルネスとは今自分の周りの環境や自分自身の反応・感情についてありのままにみつめて「ふぅんそうなんだ」って受け止めるだけの方法。(感情が高ぶったりつらいって感じるのもそのまま受け止めて描写する、的な)(けっして判断・評価(●●なことを思ったなんてなんてだめなんだ。。とかは禁止)
  • スキーマ療法は(すごい難しいから端折ると)小さいころにできた心の傷を、自分で癒し、対処する方法を身に着けるための方法

前半の患者さんは、境界性パーソナリティー障害(と思われる)医師の例。後半の例は、臨床心理士をしている例で、認知行動療法について著者に聞きに来ている設定のお話。 前者の場合は、治療が終わるまでに数年以上の単位がかかった事例を挙げている。そうした場合にいかにマインドフルネスとスキーマ療法が有効だったかについて述べる。 臨床心理士である著者との長きにわたるセッションを通して、自分の心の傷に対して患者がどう対処していくかについて学んでいく過程について書かれている。 (ちなみに、私はこの前半の医者の話をみて、兄の言動を思い出してしまいました。。。私の兄とそっくりなのです。。。 兄に一度この本を読んでと言ってみたいです。。。)

後半では、セルフでマインドフルネスとスキーマ療法について学んでいく過程についてみることができる。 この後半で紹介されていたマインドフルネスの「壺のワーク」や「葉っぱのワーク」は実際にやってみて、過去の感情がフラッシュバックしたときに落ち着かせるのに有効だなと感じたので読んでからたまに使うことにしました。


この本を読んで、認知行動療法が私にすごく有効だと感じました。昔から人の言葉尻をとらえて、相手の気持ちを類推しすぎてつらくなったり、嫌われたんじゃないかと思ってつらくなったり、過去の辛いできごと・人から裏切られた気持ち・悲しかった記憶とかを思い出してその日一日憂鬱になることがありました。 寝る前とかに思い出すと眠れなくなったりもあったのですが、この本の中ででてきたワークを少しためしてみたら、深く自分で傷つける時間が減りました。辛いことを思い出すこと自体はなくならないですが、そのときにその思い出したことをどう受け止めるかが変わった気がします。 何かがフラッシュバックしたときに、そのフラッシュバックしたこと自体を否定したり、つらかったことの詳細を思い出したりして心のリストカット的なことをするのではなくて、フラッシュバックしてしまったこと自体をうけとめて「ああ、またフラッシュバックしたな」「今これを見たから、思い出しちゃったんだな」「今悲しんでるな」「悲しいな」「あんなに友達に励ましてもらったこと思い出すな」。。。とかやっているとだんだんと大丈夫な気持ちになってくる気がするのです。

なので、もう少し認知行動療法について学びたいと思って下記の本も買ってみました。読むのが楽しみです。

ケアする人も楽になる マインドフルネス&スキーマ療法 BOOK1